
野生動物レスキュー日記
    尾を失ったバンディクート ブラックフェイスド 刑務所のレイザーワイヤー フロッグマウス クックーシュライク に登って被害に遭ったコアラ AJWCEFは野生動物レスキューボランティアの活動を支援しています。 このページでは、救助隊への取材を皆さんにご報告していきます!
《レポーター紹介》
★KANA★
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★TOSHIMI★
コアラ病院で看病を始めて6年になりました。日々、救助されてやってくる様々な野生動 物や、入院、退院するコアラ、退院しても戻ってくるコアラ、死んでしまうコアラをたくさん見る中で、動物が本来いるべき場
所で元気に生きていける環境を確保することの重要さを日々感じています。これは個人ではなかなか難しいことで、どうしたらいいんだろうと頭を抱えてしまい
ます。でも、ストレスを少しでも緩和できるようなお世話をすることは、コアラへのお詫びでもあり、コアラが存在してくれている事への感謝の表現だ
と思って日々頑張っています。
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●青い瞳のチェルシー●2012年12月25日取材 BY TOSHIMI
結
膜炎でレスキューされたママコアラ。結膜炎を患っている左目は濁っていて暗い茶色のような灰色のような色をしています。ところが、健康な右目は驚いたこと
にとても美しい澄んだブルー。経験豊かなレンジャーの話によると、ある特定の地域からレスキューされたコアラたちの中に時々青い瞳のコアラがいるんだそう
です。彼女の赤ちゃんはまだ毛も生えていなく育児嚢の中です。赤ちゃんコアラの瞳も青色なのでしょうか?とても気になります。でも、赤ちゃんが出てくるよ
りも早く、ママの結膜炎が治って赤ちゃんと一緒に森に帰るかも知れません。赤ちゃんの瞳は見れないかも知れないけれど、自然の森で二人揃って元気に活躍し
てくれればそれが一番!ママの一日も早い回復を祈っています! ●フロッグマウス続報●2012年8月10日取材 BY TOSHIMI ケ
アラーさんの我慢強いケアのおかげで、とうとう森に旅立つ日が来ました。ケアラーさんのところで(同じくフロッグマウスの)お友達まででき、同じ日に夕暮
れを待って同じ場所に放しました。箱を開けると同時にまっすぐに高く飛び上がりました。これからは元気に森で生きていって欲しいです! ●フロッグマウス●2012年6月25日 取材 BY TOSHIMI
木
の上にいるはずのフロッグマウスが地面で力なくうずくまっているのが発見されました。診察を受け、衰弱し脱水症状であるということです。しかし外傷はな
く、鳥類の保護経験が豊富なケアラーのもとで様子をみることになりました。少しずつ食べ、少しずつ回復しているようです。早く回復し森に帰れますように!●フィグ・バード●2012年2月20日 取材 BY TOSHIMI
フィグ・バードの雛が巣から落ちて地面で発見されました。それぞれイプスウィッチ市内でレ スキューされました。どちらも経験豊富な野生動物ケアラー、ヘレンのところに一度運ばれ約10日間のケアを受けました。葡萄、バナナ、メロンなどの柔らかい果物と、母親鳥があげる昆虫の代わりにやわらかく潰したドッグフードをあげているそうです。経過は順調。これから大きなケージが必要になるので、鳥を専門に世話をするケアラーのところに引越しします。
●マウンテン・ブラッシュテールド・ポッサム●2012年2月15日 取材 BY TOSHIMI
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月14日、バレンタインデーに救助されたのは、右足に怪我をしている雌のマウンテン・ブラッシュテールド・ポッサムでした。ポッサムは比較的多く見られ、
中には家の屋根に住むものもいて、オーストラリアの固有種でありながら捕獲して別の場所に移す人もいるほど迷惑者と思われることもあります。しかし、この
BOONAHという地域のポッサムが住む家のオーナーは、幼少のころからポッサムの家族と共に生活し彼らを本当の家族のように思っていました。そして、怪
我をしているのを発見したオーナーがレスキューの要請をしたのです。比較的生息数が多いポッサムは、住処や食糧の競争率が高く、生き抜くためには100%の健康状態でなければならず、大きな怪我や長期に治療が必要と判断される場合には安楽死ということもあるといいます。このオーナーにとってポッサムは家族同然。なんとか無事であるようにと見送りました。 診
断の結果は「ポッサムはかつて交通事故に遭い骨折したようであるが、折れた部分が自然に再石灰化が起こって治癒している」というものでした!一見、負傷し
ているように見える足は既に完治しており、もと居た彼女の家の屋根に帰られることになりました!ポッサムの家族とオーナーの家族の喜ぶ顔が目に浮かびま
す!
この地を人間のものだけだという観念を改めて住処をシェアするという姿勢からも、野生保護はできるんだという良い例だと思います。これからも、オーナー一家、ポッサム一家が幸せに暮らしていってくれるといいですね! ●レイザー君● 続報 2012年2月9日 レポートBY TOSHIMI 救助された頃とは見違えるほど、しっかりとした野生らしい反応を示し、2012年2月9日、完治し無事に森に帰っていきました!元気に暮らしていってくれることを祈っています! ●ラッキーな赤ちゃん、ハニー● 2012年2月6日 レポートBYマーシー あ
るご夫婦が、ブリスベンから西へ約30km、イプスウィッチ市のパイン・マウンテンズで一匹の小さなポッサムの赤ちゃんを発見した時、二人はそのポッサムはもう死んでいるのだと思い堆肥貯蔵箱に入れようと考えていました。でも、奥さんが埋
葬してあげるべきだと言い、そのポッサムを埋めに行こうとした、その時、ポッサムが微かに動いたのです!そして間もなくそのご夫婦は私たちにレスキューの電話を掛けて
きたのです。
私がそのポッサムに出会った時には、もう殆ど死に掛けていました。それでも私はその赤ちゃんにミルクをあげようと試みました。すると、驚くことにミルクをあげた途端に、急速に回復し始めたのです!
その後も彼女は後ろ向きに歩いたりするほど悪かったのですが、今では彼女は私の家のケージの中でとても幸せそうにしています。本当にラッキーな子です。充分に丈夫に大きく育てば、ハニーは野生に戻ります。早くそんな日が来るといいですね! ●レイザー君● レポートBY TOSHIMI
2012
年1月1日 レ
イザーくんは刑務所の柵に張り巡らされた鋭い剃刀のようなワイヤーに登って、手足や脇の下、腹部に切り傷を負いました。実はこういった柵やネットの被害に
遭う野生動物は少なくな
く、この一ヶ月ほど前にも全く同じ場所で別のコアラが被害に遭って救助されています。レーザーは応急処置のため、最も近くにあった大学の動物クリニックに
運ばれ、翌日コアラ病院に搬送されました。左手の傷は特にひどく、腱が見えるほどでした。傷口の消毒や抗生物質の投与を受けましたが、感染症などが心配で
付きっきりの看病が必要な状態でした。そこで、ベテラン野生動物ケアラー、ヘレンの家で傷口が良くなるまで経過を見ることになりました。ヘレンの家での最
初の数日は殆どユーカリを食べず、ヘレンを心配させましたが、救助から約2週間後、1月16日には傷口が化膿することもなく回復に向かい、木登りなどのリ
ハビリのためにコアラ病院に入院しました。
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